結婚してください
今日もシェフと格闘して出来上がった弁当を取り出した。
ソファーに深々と座り大きくため息をついて弁当箱を眺めている。
「最近、奥様は毎日お弁当作られるんですね。
身重なのに大変ですね。」
ああ、そうなんだ。俺が夜に発情しないように亜紀を早めに寝せるためのものなんだよ。
そのせいで俺は欲求不満で毎日イライラの連続だ。
弁当なんてやめておけば良かった。亜紀の珍味弁当じゃなくてシェフの弁当を食べているようで。
何だか味気ないな。
「食べられないのですか?
はい、お茶をどうぞ」
「ああ、ありがとう。」
そう言えば、今朝は一段と騒々しかったな。 どんな弁当が出来たんだ?
俺は弁当箱を開けた。
すると、目を疑うようなものがそこにはあった。
「んまぁ!! 可愛らしい弁当ですこと!」
思わず弁当の蓋を閉じた。
これはなんだ?!
いったいなんなんだ!!
「奥様に愛されていらっしゃいますね!
ごゆっくり どうぞ」
完全に今のを見て秘書は呆れていた。
いくらなんでもこれは酷い。
人前で食べられるものか!!