結婚してください
結局、今日は頭が冴えない。
ちっとも仕事が頭に入らないしいいアイデアも思いつかない。
このままじゃ不味いぞ。
「大丈夫ですか? 顔色が良くないようですが。」
「いや、大丈夫だ。 それより社長は今日は出張だったな。」
「はい、お戻りは来週と伺っています。 常務は今日は社内にいらっしゃいますが。」
「いや、別に特には用はない。」
親父が社長の間はまだ俺はのんびりとできる方だ。
それなりに忙しくはあるが。しかし、今のポストでは商談が面白くない。
そう遠くない日に親父に会長になってもらわなければな。
その為には俺がもう少ししっかりしないと。
亜紀への不満ばかりじゃ仕事にはならない。
「専務、奥様がお見えです。」
ああ、弁当を持ってきたのか。
まあ、時間はある。少し休憩でもするか。
「しばらくは誰も通さないでくれ。それと電話もだ。」
「かしこまりました」
亜紀、久しぶりに会うみたいな気分だ。
せっかくだからコーヒーでも飲んでいけ。