結婚してください

「そんな危なっかしい君が放っておけなかったんだ。

分かるか?
俺は、あの夜、ホテルの部屋へ入る君の姿を見てから君が放っておけなくなった。
君に惹かれているんだよ。」


私に惹かれている?


それって愛人じゃなくて?


どう捉えていいの?


私を本気で思ってくれているの?



「信じてもらえないかもしれないけど、ハッキリ言うよ。
俺は君を愛している。結婚しよう。」



「うそ・・・・だって・・・あなただって英輔の奥様の元愛人じゃない!」



「違う、あれは愛人のフリをしていただけだ!
君と英輔の関係のように!」


知っている?!


私が英輔とは何もなかったと知っているの?


「君は英輔の愛人のように言われたけど、英輔とは何もなかった。そうだよね?」


「ええ、そうよ。英輔は指一本触れてこなかったわ。」


「俺も同じなんだよ。英輔の奥方とは何もなかったんだ。」


それって、お互いにバカなことをしてたのね。


本当に 私たちって似たもの同士なのかしら?


だから、お互いに惹かれたの?


そうなの? 


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