結婚してください

「英輔様、屋敷内のどこを探してもいらっしゃいません!」


「柴崎、実家へ帰ったのではないか?」


「でしたら必ず連絡が来るようになっています。万が一の事も想定してその辺は抜かりございません。」


何故、急に今日になって消えた?しかし、携帯を置いたまま家を出るか?普通なら携帯は持って出るはずだ。


「あの、申し上げます!使用人の通用口の鍵が締まっているはずなのに開いていました。
もしかしたら、亜紀様は屋敷を出られたのではないでしょうか?!」


「そんなはずはない! もう一度屋敷内を隈無く探せ!
それから、柴崎、車を出せ。俺は外を見てくる。」


いったい何を考えているんだ。自分がいったいどういう立場にあるのか分かっているのか?


大人しくじっとしていれば良いのものを。


俺の妻になるのに不満でもあるのか? いい加減にして欲しい。大人しく俺の言うことを聞いていれば良いんだ。


俺に黙って従えばお前はこの世で最高に幸せな人生を送れるのに。




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