結婚してください
それからどんなに探しても亜紀を見つけることは出来なかった。
実家へも帰っていない。そして、当然屋敷内にも姿はない。
翌日学校へ向かったが、学校へも無断欠席していた。
何かの事件に巻き込まれていることはないだろうな?
いったいどこへ消えた?
このままでは親父の耳に入るのは時間の問題だ。
これまで俺がしてきたことが全部バレてしまう。
結局は、婚姻届にも本気でサインさせようとは思っていなかった。しかし、表向き学校で目だって書かせようとすれば、俺は家に従い結婚の意思有りと思わせることができる。
それに、毎日送り迎えをし一緒に昼ご飯を食べることもそう思わせるためのもの。
食べたくもない弁当もそうだ。俺に結婚へ前向きと思わせるために美味しくもない弁当を作らせていた。
すべて庶民の亜紀に合わせやりたくもないことをやって来た。
あんなに面倒臭いヤツは初めてだ。何をするにも全部手のかかる女だ。
何一つ俺の思い通りに動かない、俺の一番嫌いなタイプだ。