結婚してください
「あの・・・・こんな洋服どうするんですか?」
心配そうな顔をしているな。
何のためのドレスなのか察しがついているだろう。それでも、目的が分からないよな?
今回は単なる暇つぶしだ。俺がエスコートする女はお前に決めた。
「まあ、黙ってついて来い。パーティへいくのに同伴者が欲しかっただけだ。黙っているだけで良い。お前は喋る必要はない。」
「どちらのパーティへ?」
「いや、内輪の小さなものだから心配は要らない。」
困った顔をしているな。しかし、田所と言う名前と藤堂家の繋がりは俺には想像つかない。多分、大丈夫だろう。コイツを一緒に連れて行っても問題は何も起こらないだろう。
それにしても、ドレスアップさせるとなかなか可愛い顔しているな。
「綺麗に仕上がったな。それで当日も頼んだぞ。」
不安がっている亜紀の顎を掴んで引き寄せると唇に軽くキスをした。
亜紀は驚いて真っ赤になっている。まだ、慣れない様だ。たかだか軽く触れるキスなのに。本当に可愛いヤツだ。
さて、パーティでは英輔の婚約者の藤沢愛華の顔を拝んでくるか。
あの女もそれなりに良い女だった記憶がある。以前、どこかのパーティで顔を合わせたが、あの時は英輔にエスコートされていたよな。今度は英輔の隣で花嫁か。
まあ お似合いの二人ではあるな。