結婚してください
ダイニングへやってきた善道さんは少し驚きの顔。
「これ・・・いったい」
「ごめんなさいね。実はこれ、庶民の朝食です! 是非ご賞味あれ。」
「へえー この為に台所を? いただきます。」
ご飯にお味噌汁、焼き魚はシャケ、それに玉子焼きと納豆に味付け海苔。そんな定番朝食を準備した。
素朴な朝食だけど美味しいはずだよ。
「へー 美味しいものだな。朝から脂っこいものとか肉ばっかよりこんなの良いなぁ。魚もこういう素朴なのが美味しいものだね。」
手の込んだ食事ばかりだから素朴な味付けは魅力的でしょう?
珍しい食事だったのか全部食べてくれた。とても嬉くてついつい笑顔になってしまう。
「ご馳走様。こんな朝食なら毎日でも良いよ。」
「毎日外泊の許可は取れないですよ。昨日屋敷出てくるときだって、外泊は駄目って言われてしまって。」
「まあ、普通は外泊許可は出さないだろうな。英輔怒っているだろう。
じゃあ、今日は早めに帰ったほうが良い。」
そうか、こんな世界でも外泊は良くないんだ。善道さんに迷惑かけたら駄目なんだよね?
「露骨な行動は英輔だけじゃなくて君の首まで絞めることになるよ。だから、無茶はしてはいけない。あくまでも君は英輔の婚約者だから。」
「婚約破棄にするためにやってるの。」
私がそう言うと善道さんの顔色が変わった。