結婚してください
「夜遊びはもう少し控えたらどうだ? 婚約披露パーティは内輪だったとはいえお前の顔は知られている。それに、俺の誕生日まで2ヶ月を切っているんだぞ。」
そうよね?一日も早く婚姻届にサイン書かせたいよね。もう誕生日まで2ヶ月ないのだから。
誕生日に入籍の必要があるんだから。この際、あの女にサインしてもらえば良いのに。
「サインしないわよ。」
「お前の自由にさせているだろう?! あの男とも会わせているんだ。」
自分に非があっても私が悪いように言うんだね。
卑怯者よね。そんな言い方するなんて。
「それはそちらが先でしょ? 藤沢愛華さんをこの屋敷に連れ込んでいるのは知ってるのよ。
今に始まったことじゃないけどね。もう2年になるの?
そんな人がいるんだからさ、もう少し考えてあげなさいよ。彼女のためにも。」
「くだらない。愛華も俺と同じ境遇で育ったヤツだ。家の結婚は理解している。」
「だから愛人なんだ。藤堂さんも善道さんも可愛そうな人だよね。
私はそんな人生はごめんだわ。」
「それでも決まったことなんだ。観念したどお?
第一、一般家庭の娘なのにこんな最高の生活ができるんだ。お金に不自由はないし生活も自由だ。君を束縛するつもりもない。こんな条件の良い話はないだろう?
なにが不満なんだよ。」
生活そのものが不満なのに。お金が全てではないのに。
何を話しても平行線だわ。この人たちと分かり合おうと言うのは無理なことだと感じた。