結婚してください

英輔と言い合いをした翌日は決まって学校を休んでしまう。


無断欠席をすると後から英輔や柴崎さんからお小言を言われるため、一応病欠と自分で学校へ連絡を入れる。


そして、そんな日は善道さんに連絡を入れて迎えの車を出してもらう。


「おい、今日は俺が大学休講だったから良かったけど、そう毎回調子よく休講にはならないんだぞ。

もう少し、藤堂家で大人しくできないのか?」


「愛人契約結んでるんだからこんな時利用させてよね。」


厄介者を引き受けたって顔してるわね。


金持ちは自分の都合だけで動いているから私のことなんかどうでも良いのよ。


「それで、今日は何するつもり?」


「体を動かしていたいの。メイドさせて欲しいな。」


そう、屋敷の中を掃除していたい気分。部屋が綺麗になると気持ち良いよね。


もともとは掃除などは好きじゃなかった。


でも、お嬢様って言われて何も出来なくなると変なものでそういうのをやりたくなる。


結局一般庶民の生まれだからこういう下賎な女がするようなことが好きなのよ。私は。


善道さんは「やれやれ」と言った表情だ。


呆れ顔も通り越して私の遣りたいようにさせてくれる。


私とは関係のない他人だしこれからも縁のない人間だから好き勝手してもあまり文句は言わない。



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