結婚してください

歩いて近くのバス停まで行く。


バスと電車を乗り継いで学校へと向かう。


学校ではいつもの光景がまっている。


お金持ちのお嬢様にお坊ちゃんらのたわいない会話。


そして、親友のさおりとの会話。


「最近、元気ないね。」


「うん、破談に失敗したから。」


「えーマジ? 私なら一発OKしちゃうのに」


玉の輿狙いのさおりは、藤堂家なら喜んで嫁に行くんでしょうね。


あんな人とは思えないようなヤツの住処に、息も出来ないような生活無理よ。


さおりと話をしていると廊下が騒がしくなってきた。


この騒ぎは多分英輔がいるから。


直ぐに分かる。


それに、今朝は無断で家を出たから私を叱るために来るはず。


騒ぎが教室へと向かってくると、その中には英輔の姿があった。


そして、教室の私のところまでやって来た。


「心配になるから一人で屋敷をでるな。いいな。」


「分かった。」


英輔を大人しく教室へ向かわせるには反抗しないのが一番。


取りあえず英輔に合わせれば大丈夫。


ただ、それだけのこと。



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