結婚してください

「それから、お前の携帯電話、浴槽に落ちて壊れていたから新しいものを準備させた。これを使うと良い。」


渡された携帯電話を受け取った。


すると、英輔は教室を出て行った。


こんな面倒なことばかりする婚約者の顔は見ていたくないでしょうね。


考えてみれば英輔もご愁傷様ってことよね?


ほんと、私も英輔も家に振り回されてバカみたい。


私は携帯電話の電源を切りバッグに入れた。


「電源切ってても大丈夫なの?」


「大丈夫。私には電話なんてかかってこないから。」


そう、電話を持っている意味はない。


だからといって壊しても同じことの繰り返し。


だったら、電源を切るかマナーモードよね。バッテリー切れたら放置すれば良いんだわ。


その日もいつものように英輔が昼食を食べるために私を誘いに来た。


今日は二人とも弁当がないため、食堂のランチを食べることに。


さすが、セレブな学園だけあって学生食堂のランチは豪華だ。


その辺の高校のランチとは雲泥の差だ。


私はそんな食事を見ると吐き気がしてきそうだ。


多分、精神的にかなり参っているんだと思う。


だから、昼食はあまり食べられなかった。


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