結婚してください
そして学校が放課になると英輔が教室へと迎えに来る。
英輔に逆らうことをせずに、黙って迎えの車に乗った。
私が何も言わずに言う通りにするのが英輔には気になるようだ。
また、私が何かを企んでいるのではと勘ぐらせたようだ。
「何を考えている?」
「別に。何も考えていないわ。」
考えたところで私にはどうにも出来ない。
どうすればいい? どうしたら私に自由が訪れるの?
「屋敷に戻ったら自分の部屋からは出ないことだ。君はあまりにも問題を起こしすぎる。
入籍の日まで大人しく過ごしてもらうから。」
「分かった。」
私が素直な返事をするのが気に入らないようだ。眉間のしわが大きくなっているよ。
そんなに嫌いなら構わなければいい。放っとけばいいんだよ。
いい加減その辺学習すればいいのに。
そこへ、貰ったばかりの携帯電話に親友のさおりから電話が入る。
「亜紀、明日ね他校の男子と合コンするんだけど、女子の人数が足りないのよ!頭数合わせで出て欲しいんだ! お願い! 」
合コン? 私は婚約者いるんだよ? なのに?
「亜紀は婚約者いるからさ男いらないじゃん。ということはよ、私たちが男子狙うのに倍率上がるからさ。」
ああ、そういう意味なのね。納得してしまう。