結婚してください

翌朝、目を覚ましたけど食欲がないことを理由に朝食は食べなかった。


そして学校へ向かうと教室まで英輔が送ってきたものだから、さおりとは直ぐに話せなかった。


きっと、私を監視しているんだろう。 周囲の生徒にはラブラブのように見せかけているけど、私たちは全くの正反対。ラブラブどころか禄に顔も合わせないんだから。


英輔が教室を出て行ったのを確認すると、いそいでさおりのところへ駆け寄り昨日の合コンのことを聞いた。


そして、山崎と連絡を取りたいからとさおりに調べて欲しいと頼んだ。


山崎の連絡先はあっという間に調べはついた。さおりの中学時代の友達が山崎と同じ高校に通っていたからだ。


私はすぐに山崎宛にメールを送った。


昨日の詫びと事情を説明したいからと。


事情に関しての詳しい説明は直接説明したいからと、メールでは簡単にしか書かなかった。


かと言って、多分山崎とは会えないだろうから、夜、電話をかけると約束した。


山崎からメールが返信されるか心配だったが「昨日は大丈夫だった?」と、私を心配するメールが送られてきたことで、とても嬉しくなった。


あんな別れかたしたものだから、もしかしたら無視されるかも?と不安だったから。


「メールきてよかったね」


さおりは私の事情を良く知っているから、山崎のメールをとても喜んでくれた。


私にとって山崎は癒しの場になっているかもしれない。


昨日、会って話をしていただけで心が休まった。 不安な時間を忘れることが出来た。


だから、もっと山崎とは一緒にいたいって思ったんだ。


そして、その夜、いつものように自室へ篭りだすと山崎へと電話をかけた。






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