隣の席の苦手なキミと




「せめて近くの席が良かったな…」



私がそう言うと会津くんは苦笑した。



「別に席にこだわらなくてもいいだろ。」




そういえば、会津くん…私と隣の席じゃなくても落ち込んでなかったような…。


むしろ、私が落ち込んでると呆れてた時もあったよね…。



「会津くん…前の席と今の席、どっちの方がいい?」



私がそう言うと会津くんは即答した。



「今の席、かな。」



ーズキンッ



胸が痛む。それはどういうことだろう。1番前なのがいいのか、隣の席の人がいいのかー。




「んー、でも1番前は嫌かな。」



そういう会津くん。


ーーということは、隣の席の人ー佐山さんがいいんだ。



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