隣の席の苦手なキミと
そして、授業が始まった。
「…来いよ。教科書見るんだろ。」
「あ、うん…ありがとう…」
トン、と机をくっつけて教科書を見せてもらう。
あー…緊張する。何か言われないだろうか。そればかりがきになる。
だけど、会津くんは授業中もずっと寝ていた。
「ーーということになる。だから答えは…寝てる会津、答えなさい。」
そして当たってしまう。
それでも気づかない会津くん。
「お、起きて、会津くん…っ!」
小声でそう言うと会津くんは寝ぼけた目で私を見つめてきた。
「なに?」
「あ…っと、先生が答えは何?だって。」
黒板に書いてある問題式を指差し、そう教える。