隣の席の苦手なキミと
「優香、頑張ったじゃん。苦手な男子の隣で。」
休み時間になると、南ちゃんに頭を撫でられる。
「緊張した…」
私がそう言うと、会津くんはボソリと、
「……失礼なやつ。」
と言った。
「ひっ、ごめ…っ!」
そう言われ、私が謝ろうとしている途中に会津くんは立ち上がってどこかへ行った。
「謝ることないよ。優香は何にも悪いことしてないんだし。」
会津くんのことを敵視している南ちゃん。
「……私も南ちゃんみたいになりたいよ。」
私がそう言うと南ちゃんは微笑んだ。
「優香は優香のままでいいの。」
私にも男子とかも話せる日が来るのかな?
男子が苦手な私にもいつか……
優しく笑う南ちゃんを見てそう思ったのだった。