友達以上恋人未満
「健。」
咲がゆっくりと顔をあげた。
……っ
咲は今にも泣きそうな顔をしてた。
だけど、俺はわかってやれなかった。
何でこんなにも咲が悲しそうなのか。
ごめんな…?
咲。
「何で、先行った?」
俺はずけずけと聞いた。
咲が俺の言葉に傷ついていたのに。
「別に…」
話してくれない咲に俺は無性に腹が立って、きつくいってしまった。
「別にじゃわかんねーよ」
どうして咲は俺に話してくれない?
俺は親友じゃないのかよ…っ
親友以下かよ…。
なあ、俺、親友でもいいから。
それ以上何も望まないから、親友以下にしないで。
俺を咲の1番にして。