友達以上恋人未満
「はっ……馬鹿みてぇだよな。」
情けなくて涙さえ出てくる。
ちきしょー。
何で俺が、あんな女のために、
泣かなきゃなんねーんだ。
「……、」
鈴とかいうやつは、俺の方をじっと見る。
その大きくて深い瞳を見ると
心の中を読み取られてるようで
とっさに目を反らした。
「んだよ。なんかいえよ。」
頼むから、そんな目で見んな。
「ま、あんた見るからに不器用っぽいもんね。」
お前に、何がわかんだよ
「咲は優しいから、許してくれるよ」
「……。」
今の俺は、その言葉だけが、
救いだった。