花野心と堕天使さんとカイブツ男子たちと
小谷 翔太side



「何やってんのさ翔太君。せっかくチャンスだったのに」




花野が帰って、今、この部屋は俺とクソ堕天使、二人しかいない。






「余計なお世話だ。」



俺は言った。






「でもさー。覚えてるんでしょ?魔法がとけるのは・・・」






「言われなくても分かってるさ。好きな子と、二人きりになったとき。だろ?」





こんなの、覚えていないはずが無い。





「君も心ちゃんが好きなんだね。」



「うるせーよクソ堕天使。そーいうお前はどうなんだよ。」




「もちろん、心ちゃんのこと、大好きだよ?」






スゲーことをフツーに言うな。コイツは。







でも少し、羨ましかったりもする。







花野が、好きなのに。






夏早に、あんなことを言って。







くそ・・・馬鹿か。俺は。










「いいの?このままで」



ルシュフが聞く。










「今は、まだこのままでいいや。」



俺はそう言った。










「ふぅん・・・」



ルシュフは、小さな声で言った。
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