最高にめんどくさいイケメンに愛されている女の子
「もう!光樹くんったら~、わざわざお世辞なんか言わなくていいのに~」
母さんは若松の肩をビシビシと叩きながら、ケラケラと笑った。
「それじゃあ準備を始めましょうか。
はじめ、荷物置いてきたら手伝ってね~」
そう言って母さんは、台所へと向かうドアを開けて入っていった。
私は若松と一緒に、一度自分の部屋に荷物を置きに行くことにした。
相変わらず物の少ない簡素な部屋には、バレーボールが一つ転がっているだけで、ほかは一切ちらかっていない。
だから、こんな風に突然若松が部屋に来ても、見られて恥ずかしいものなんてない。