第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
ブルーム村とは...カルラ大国の南端にある小さな農村だ。
様々な格差が大きいこの国、勿論この村も例外では無い。都市のような高層建築物などなく、代わりに自然が広がっている。

特にこの村では花々が美しい、わざわざ都市から運送される程この村の花は誰もが愛している。

俺には解らない感情だけどな、枯れていくものを愛でて楽しいのだろうか。俺からして言えば、死ぬまで監視され続けられてるようで、良い気分はしない。
余程地べたに咲いている花の方が、まだ自由に見える。

意思を持たぬ者など、意思を持つ者のエゴに飼い慣らされるだけだ。
其れは人でも同じ事だ、力を持たぬ者は、力を持つ者に飼い慣らされる...俺は嫌でも知っている。



ブルーム村まで、電車やバスを乗り継いで約3時間半掛かった。



移動中にふとケビンの声が聞こえた。
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