第1巻 Sicario ～哀しみに囚われた殺人鬼達～

｢じゃぁ、僕が1つずつ言っていきますね。｣

｢解った〜。｣


今まで聞いてきた情報をまず、頭の中で整理する。
他の外的情報を遮断するために、僕は目を閉じた。


｢では...いきますよ。
少女の名前は〝マーシャル〟ファミリーネームは不明。
村人からは忌み嫌われているのは一目瞭然。
村はずれの小屋に住んでいる。
付き人が1人付いている、男性、少女との関係は幼馴染み。
少女は外に余り出ない。
とまぁ、こんな感じですね。｣

｢ねぇ、それ全部覚えてたの〜?｣

｢はい、そうです。あ、台詞まで再現した方が良かったですか!?｣


飽きれながらドールさんは僕を見た。
あれ、失礼なこと言ったのかな...よくズレてるってセルリアに言われるのは、こういう事も含まれるのかな。


｢普通さぁ、台詞まで覚えてないよ...。｣

｢そうなんですか?すぐ覚えるから、気にしてなかったですね。｣

｢だからケビンは頭が良いのかも、其の記憶力と思考の早さは天性のものだね〜。｣

｢あ、あはは...ありがとう御座います。｣


苦笑いで答えた僕は、何気無く辺りを見回した。
本当に自然豊かだな...都市では絶対に見れないね。
たまには、こういうところもリラックス出来ていいや。