第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
「それじゃー、早速行きますか。」


ギフトさんが腰に手を当て、僕達を見た。正確には見下ろしたが正しい表現かもしれない。


「本当、早速ですね...。」


何と言うか...。ギフトさんは典型的な行動派の人間だな。
そして、頭も良いって...チートキャラじゃないですか。
よく考えてみれば、性格に難が有るし...其処はある意味バランスが取れていると考えた方がいいのかな。


「ぼくは...もう少し休みたい。」

「疲れてるんならボクがおぶってあげようか?」


如何やら今日のドールさんが機嫌が良いようです。
ギフトさんといつも以上に長く居るからでしょうか。

何時もは朝からギフトさんが、毎日指定した時間になるまで帰ってこないので、必然的にテンションが高いのでしょう。多分...恐らく。


「ぼくを潰さずにおぶれるの...?」

「ん〜、生存率は15%かな。」

「だったらギフトにするよ...。」


生存率が極端に低い気がするのだが...こ、殺しちゃ駄目ですよ。
ディーブ君は将来有望なんですから。


「解ったよ、僕がおぶるからこっちおいで。」


ギフトさんが背を向けて腰を降ろす。
流石192cm、背中が広い...。
ディーブ君は其の広い背中に身を任せ、腕をギフトさんの首に回した。

軽々しくディーブ君をおぶると、口角を上げて笑いながら、〝マーシャル〟の元へと向かった。
僕達も置いていかれないように、ギフトさんの後に続いた。
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