第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
「さーて、そろそろ宿を探さないとね。」


ギフトさんが僕達にそう告げる。
もう日は既に傾き始めていた、何日か此処に留まるとセルリアの記憶で見た。
僕達は会話を取り敢えず切り上げると、宿を探す事になった。
今回は別れる事無く固まって行動した。

この小さな村で宿を探すのは容易だった。
宿に着くとギフトさんがチェックインしてくれた。
部屋は2つと取れ、僕はギフトさんと同じ部屋になった。アヴァンさんは僕達とは別に自身で部屋を取ったようだ。
部屋は奇跡的に3つ共並んでいた。

僕はギフトさんと共に部屋に荷物を運んだ。
半日程しか外に出ていないのだが、僕の疲労はピークに達していた。


「大丈夫かい?ケビン。」

「凄く疲れました...。凄く眠いです...。」

「少し眠ると良いよ。時間はまだあるから。」

「じゃーお言葉に甘えて...。」


まだ荷物を片付け終わってないけど、後でやればいいよね。
コートを脱ぐ事さえ億劫になっていた僕は、ベッドに沈んだ。
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