第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
店に着くとテーブルにメニューが置かれていた。
俺は特に好き嫌いが無いので、適当に選んで運ばれてくるのを待った。

俺の右隣には何故かアヴァンが座っている。何故、俺の隣にいるのだ。
悲しい事に左隣には誰もいない、起きて早々俺に運は無いようだ。

本当にアヴァンは潔癖症なのか...。疑うのもなんだが演技としか思えない。


「セルリア〜。何で最近来ないのさ、アタシ寂しかったんだよ!」

「色々あったんだよ...いい加減離れろ。」

「いいじゃん!アタシとセルリア仲でしょ。」

「腐れ縁だろ。」


ギフトの気の毒そうな顔が少しイラついた。
今、物凄くギフトの気持ちが解る。ドールに絡まれている時ってのは、こんな不愉快な気持ちになるんだな。
年上として尊敬するよ。この事に関してだけな。


「今セルリアと感情がリンクしている気がするよ。」

「奇遇だな...俺も今そう思ってるぜ。」

「君と僕が意思疎通する日が来るなんて、思ってもみなかったな〜。」

「お前とだけは絶対無いと思ってたんだがな。」


まさかこんな所で同じ境遇に陥るとは、誰が予想しただろうか。少なくとも俺は全く考えていなかったが...。
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