第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
自分のこの満足感に気付いたのは、割と幼い頃だった。
きっかけは些細な事...。
風邪を引いたマーシャルの看病をしている時に、周りの人から優しくしてもらったり褒められたり、気に掛けてくれたりした。
当時の俺は皆が、俺に関心の目を向けてくれる事が素直に嬉しかった。
其れと同時に溺れそうな程の優越感、満足感に呑まれた。
マーシャルが元気になった後、暫く何もする事無く穏やかな日常を過ごしていたが、如何しても欲しかった...。
欲しくて堪らなかった...。
あの優越感、満足感......
気が付けばマーシャルを傷付けていた。
だが、また溺れる事が出来た...。
そして、俺はもう止める事が出来なくなっていた。