第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
side:セルリア
要らない運でじゃんけんに勝ってしまった俺は、ひ弱な少女___マーシャルの元へ歩み寄った。

殺す事になったのは別に構わないが、如何やって殺そうか。
シヴァルの指切りでそれなりに楽しんだからな。
ここは何も考えずに切り刻むという選択肢が妥当だろうな。


「そんな、怯えんなって...。大好きなシヴァルの元に連れてってやるって、言ってんだ。もっと喜べって。」

「うわぁ~セルリア、ゲスい~。」

「ギフトよりゲスかーねぇーよ。」


片思いの人を撲殺させた奴が何言ってんだ。

俺は倒れているマーシャルに馬乗りすると、左手で首を絞め始めた。
右手でナイフを握ると、マーシャルの胸を何度も刺した。
板のような胸は何度か肋骨に当たり、ナイフを抜く度に血が吹き出て、返り血が顔に付いた。

ドールが足を潰したから血が足りなかったのか、マーシャルはすぐに息絶えた。
動かなくなったマーシャルから降りると、皆の方を振り返った。


「終わったぜ。」

「ご苦労!!さぁ、帰ろう!こんなチンケな村にもう要はないからね!!」


そう言ってギフトは楽しそうに、血の付いたコートを着たまま扉を開けた。

1番俺達を振り回しておいて、謝罪の1つも無かった。
何処まで自分勝手なんだ...そう思いつつも俺達はギフトについて行った。
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