第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
「お、キース先パイ!其の人誰っスか?」

「あぁ、セリィーさんだ。お前も自己紹介しろ。」

「美人さんっスね!あっ、あたしもキース先パイと同じく調整局局員刑事課所属のマロン・ルヴァルトっス!!よろしくっス、セリィーさん!」

「よ、宜しく、お願い...します。」

「予想より声低いっスね~、ハスキーボイスってやつっスか!」

「マロン、セリィーさんに失礼だろ。」


失礼なのは手前ェ等2人だよ。
気付けよ、気付いてくれよ...俺は男だ。
身長だって女にしてみれば高いだろう。

そんな俺の心の嘆きなど気付きもせずに、俺の背後では皆が笑い声を殺す音が聞こえる。
お前等後で揃ってぶちのめすからな。

そんな事を考えていると、後ろから俺の肩に手を置いてギフトが割り込んで来た。
キースとマロンの視線はギフトへと集まる。
ギフトは何食わぬ表情で、2人に笑みを向ける。


「僕はジュラルって言うんだ。セルリ...じゃなくて、セリィーの連れだよ。宜しく。」

「俺はキース・ラドンです。宜しくお願いします。」

「あたしはマロン・ルヴァルトっス!よろっス!」

「自己紹介どうもありがとう。セリィーが迷惑かけてない?此奴、案外常識無いからさ。」


ギフトめ、言いたい放題言いやがって...部屋に飾ってある眼球コレクション壊すぞ。


「いえ、そんな事ありませんよ。」

「そーっス!超良い子っスよ!!そして美人さんっス!!羨まっスよ!」

「マロン、少し黙れ。」

「何でっスか!?酷いっス!女の子同士語り合いたいっスよ!!」


だから、俺男だって...。
俺達が会話をしている最中にも、ガキ共は俺達と遊びたいのか周りでそわそわしている。
此れ以上キースとマロンと話をしたくない俺は、ギフトの横腹を2人にバレないように肘で突いた。
目だけ俺を見ると、ウインクをして笑った。

ここを離れても良いという事だ。
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