第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
俺は3人の元を離れるとまたガキ共に囲まれた。
あの会話から脱出出来たのは嬉しいが、こっちはこっちで大変だ。
俺は何をすればいいのだ。困った表情をしていると思われる俺を見かねたガキ共は、俺の手を引いて白い小さな野花が咲いている場所へ連れられた。
其処には数人の少女が其の野花を使って、冠を編んでいた。
まだ幼いと言うのもあって冠は不格好だ。
ふと生前を思い出した。俺も〝あいつ〟と小さい頃、こんな事してたな...。
〝あいつ〟不器用だったから何時も俺が作ってあげたんだっけ。
思い出に耽(ふけ)っていると、1人の少女が冠が上手くできず溜息を吐いている姿が見えた。
俺は其の少女に近付いて、不格好な冠を見つめた。
「其れ貸しな。」
「う、うん。」
俺は少女から不格好な冠を受け取ると、懐かしみながら冠を修正していった。
みるみる冠が綺麗になっていく様を見て、周りのガキ共は物珍しそうに周りに集まって来た。
余り時間を掛けたつもりは無かったが、見渡す限りガキしかいなかった。
苦笑いが込み上げてきたが、異様な空気に包まれるのは御免なので、無理にでも飲み込んだ。
「ほら、出来たぞ。」
「すごーい!お姉ちゃん魔法使いみたい!!」
「ホントだすげェ!」
「ねぇ、ねぇ!わたしのもやってー!」
「あたしもやってよー!」
「おいおい...マジかよ。」
ガキってのはこんな事に目を輝かせるのか。
其の前に...俺は男だっての。
ガキ共はそんな事気付きもしないで、俺を取り合っている。
ガキにモテても少しも嬉しくない。
背後からいきなり誰かが乗っかかってきた。振り向こうとしたが、其れより先に耳元で嫌味としか言い様がない事を囁かれた。
「......お姉ちゃん...。」
「止めろ、ディーブ。」
こんな時に年相応のテンションで、嫌がらせしてくるな。
明らかに普段より声のトーンが高い。楽しいのか...、俺をイジって楽しいのか。
あの会話から脱出出来たのは嬉しいが、こっちはこっちで大変だ。
俺は何をすればいいのだ。困った表情をしていると思われる俺を見かねたガキ共は、俺の手を引いて白い小さな野花が咲いている場所へ連れられた。
其処には数人の少女が其の野花を使って、冠を編んでいた。
まだ幼いと言うのもあって冠は不格好だ。
ふと生前を思い出した。俺も〝あいつ〟と小さい頃、こんな事してたな...。
〝あいつ〟不器用だったから何時も俺が作ってあげたんだっけ。
思い出に耽(ふけ)っていると、1人の少女が冠が上手くできず溜息を吐いている姿が見えた。
俺は其の少女に近付いて、不格好な冠を見つめた。
「其れ貸しな。」
「う、うん。」
俺は少女から不格好な冠を受け取ると、懐かしみながら冠を修正していった。
みるみる冠が綺麗になっていく様を見て、周りのガキ共は物珍しそうに周りに集まって来た。
余り時間を掛けたつもりは無かったが、見渡す限りガキしかいなかった。
苦笑いが込み上げてきたが、異様な空気に包まれるのは御免なので、無理にでも飲み込んだ。
「ほら、出来たぞ。」
「すごーい!お姉ちゃん魔法使いみたい!!」
「ホントだすげェ!」
「ねぇ、ねぇ!わたしのもやってー!」
「あたしもやってよー!」
「おいおい...マジかよ。」
ガキってのはこんな事に目を輝かせるのか。
其の前に...俺は男だっての。
ガキ共はそんな事気付きもしないで、俺を取り合っている。
ガキにモテても少しも嬉しくない。
背後からいきなり誰かが乗っかかってきた。振り向こうとしたが、其れより先に耳元で嫌味としか言い様がない事を囁かれた。
「......お姉ちゃん...。」
「止めろ、ディーブ。」
こんな時に年相応のテンションで、嫌がらせしてくるな。
明らかに普段より声のトーンが高い。楽しいのか...、俺をイジって楽しいのか。