第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
約3時間電車に揺られた後、俺達は無事あの『Sicario』様々がいるキハウズ通りに到着した。
何が好きであんな殺人鬼共の巣窟へ行かなきゃならんのだ。
あのサイコ野郎...、覚えてろよ。
『Sicario』へ直行するのは、癪に障るので俺達はブラブラ街を歩いていた。
ガスマスクを付けている所為なのか、人の視線が気になる。だが、外す気は毛頭ない。
知らない奴に顔を見せるのは、嫌いなんだ。『Sicario』の場合は顔見せないと、ギフトの奴が機嫌を損ねる。そうなればあのとんでもない弟が俺に牙を向けかねない。
其の他にも、かの有名な『狂人』も居る事だし、友好関係は良くしておきたい。
適当に歩いていると、ちょっとした広場に着いた。
純真無垢な子供達がキャッキャ言いながら、遊んでいる。
其の光景を眺めていると、ふと視線の端に低いシルクハットを被り、黒い神父服を着た薄い金色の髪の男が立っていた。
また随分と優しそうに微笑んでいる。
大した興味は沸かなかったが、其の神父に話し掛けてみた。
「機嫌が良さそうですな、神父さん。」
俺の声に反応して、神父は振り返った。
「おや...お医者様で合っていますか?」
「まぁ、そんな感じですな。」
神父なだけあって、言葉使いが綺麗だ。
「ガスマスクは趣味なのですか?」
「趣味と言えば趣味かな...。」
「ねぇ、ナタリア!!オレも遊んで来て良い!?」
「...好きにしろ。」
チェルは楽しそうに子供達の輪へ入って行った。
18はまだ子供だな。
「ナタリアさんと仰られるんですか。」
「自己紹介がまだでしたね。ナタリア・タルマと言います。余り公には言えませんが、闇医者をやっています。以後お見知りおきを。」
「これは御丁寧な紹介を、ではわたしも...、
バーサルト・レリィと申すます。見ての通り神父をしています。」
服を見れば神父と言う事は明らかだが、其の低いシルクハットは必要なのだろうか。
とやかく言うつもりは無いけどな、俺もガスマスク着用しているし...。
何が好きであんな殺人鬼共の巣窟へ行かなきゃならんのだ。
あのサイコ野郎...、覚えてろよ。
『Sicario』へ直行するのは、癪に障るので俺達はブラブラ街を歩いていた。
ガスマスクを付けている所為なのか、人の視線が気になる。だが、外す気は毛頭ない。
知らない奴に顔を見せるのは、嫌いなんだ。『Sicario』の場合は顔見せないと、ギフトの奴が機嫌を損ねる。そうなればあのとんでもない弟が俺に牙を向けかねない。
其の他にも、かの有名な『狂人』も居る事だし、友好関係は良くしておきたい。
適当に歩いていると、ちょっとした広場に着いた。
純真無垢な子供達がキャッキャ言いながら、遊んでいる。
其の光景を眺めていると、ふと視線の端に低いシルクハットを被り、黒い神父服を着た薄い金色の髪の男が立っていた。
また随分と優しそうに微笑んでいる。
大した興味は沸かなかったが、其の神父に話し掛けてみた。
「機嫌が良さそうですな、神父さん。」
俺の声に反応して、神父は振り返った。
「おや...お医者様で合っていますか?」
「まぁ、そんな感じですな。」
神父なだけあって、言葉使いが綺麗だ。
「ガスマスクは趣味なのですか?」
「趣味と言えば趣味かな...。」
「ねぇ、ナタリア!!オレも遊んで来て良い!?」
「...好きにしろ。」
チェルは楽しそうに子供達の輪へ入って行った。
18はまだ子供だな。
「ナタリアさんと仰られるんですか。」
「自己紹介がまだでしたね。ナタリア・タルマと言います。余り公には言えませんが、闇医者をやっています。以後お見知りおきを。」
「これは御丁寧な紹介を、ではわたしも...、
バーサルト・レリィと申すます。見ての通り神父をしています。」
服を見れば神父と言う事は明らかだが、其の低いシルクハットは必要なのだろうか。
とやかく言うつもりは無いけどな、俺もガスマスク着用しているし...。