第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
傍から見たら物凄くシュールな光景に見えるだろうそんな中、幼い女の子の声が背後から聞こえた。
反射的に俺とバーサルトは声につられて、後ろを振り返った。
其処には白いウサギのぬいぐるみを抱いた黒髪の少女がいた。
他の子供達と遊ばないで、何故此処に来たのだろう。
不思議な少女だ。
「如何したのですか?」
バーサルトは少女と目線が合うようにしゃがんだ。
少女はバーサルトの目を見つめながら、喋りだした。
「白ウサギは何処?」
次に少女は白いウサギのぬいぐるみを見て、
「白ウサギは見つかったよ。」
其の言葉の意味が解らず、バーサルトは困り果てたような顔をした。
「白ウサギ...、『不思議の国のアリス』とか言う小説の登場人物だろ。」
「あと、白ウサギだけなの。でも見つかったの、白ウサギは見つかったの。」
少女はバーサルトから視線を移して俺を見た。
だが、何もなかったかのように、踵を返して何処かへ行ってしまった。
一体なんだったんだ。
「以前も似たような事を言っていました。」
「変な子だったな。」
「こんな事言うのも何ですけど、全くそうだと思います。...さて、如何しましょう。ギフトさんに連絡すべきでしょうか。」
バーサルトは立ち上がりながらそう言った。
いやまて、今...〝ギフト〟って...。
「まさか、あんた...『Sicario』と関係があんのか。」
「えぇ、友人みたいなものですよ。貴方もそうなのですか?」
「まぁ、そうだが...。『Sicario』と繋がりがあるって事は...もしかして、殺人k」
言い終える前にバーサルトに口をガスマスク越しに塞いだ。これは図星と思って間違いないと思っていいのか。
バーサルトは小声で囁いた。
「貴方の考えている通りです。ですが、わたしは無差別ではないので御安心下さい。もし、わたしが貴方をそうしてしまう時は...、貴方がわたしの前で神を冒涜した時です。
長生きしたいのならばお気を付け下さい。」
俺は頭が取れてしまうのではないかと言う程、首を縦に振った。何で俺はこんな厄介な人間と接触する羽目になるのだ。
しかもまた、とんでもない殺人鬼に出会ったものだ。
「子供達にも秘密にしているので、余り口に出さないで下さい。」
「はい...。」
「其れにしても、貴方もギフトさん方と面識があられたとは...。不思議な事もあるんですね。
もし、宜しければ先程の少女の事をギフトさんに伝えてもらえませんか?」
「其れ位の事なら別に構わないよ。それではそろそろ『Sicario』に向かいましょうかね。」
話が終わると、丁度頃合いを見計らったかのようにチェルが戻って来た。
反射的に俺とバーサルトは声につられて、後ろを振り返った。
其処には白いウサギのぬいぐるみを抱いた黒髪の少女がいた。
他の子供達と遊ばないで、何故此処に来たのだろう。
不思議な少女だ。
「如何したのですか?」
バーサルトは少女と目線が合うようにしゃがんだ。
少女はバーサルトの目を見つめながら、喋りだした。
「白ウサギは何処?」
次に少女は白いウサギのぬいぐるみを見て、
「白ウサギは見つかったよ。」
其の言葉の意味が解らず、バーサルトは困り果てたような顔をした。
「白ウサギ...、『不思議の国のアリス』とか言う小説の登場人物だろ。」
「あと、白ウサギだけなの。でも見つかったの、白ウサギは見つかったの。」
少女はバーサルトから視線を移して俺を見た。
だが、何もなかったかのように、踵を返して何処かへ行ってしまった。
一体なんだったんだ。
「以前も似たような事を言っていました。」
「変な子だったな。」
「こんな事言うのも何ですけど、全くそうだと思います。...さて、如何しましょう。ギフトさんに連絡すべきでしょうか。」
バーサルトは立ち上がりながらそう言った。
いやまて、今...〝ギフト〟って...。
「まさか、あんた...『Sicario』と関係があんのか。」
「えぇ、友人みたいなものですよ。貴方もそうなのですか?」
「まぁ、そうだが...。『Sicario』と繋がりがあるって事は...もしかして、殺人k」
言い終える前にバーサルトに口をガスマスク越しに塞いだ。これは図星と思って間違いないと思っていいのか。
バーサルトは小声で囁いた。
「貴方の考えている通りです。ですが、わたしは無差別ではないので御安心下さい。もし、わたしが貴方をそうしてしまう時は...、貴方がわたしの前で神を冒涜した時です。
長生きしたいのならばお気を付け下さい。」
俺は頭が取れてしまうのではないかと言う程、首を縦に振った。何で俺はこんな厄介な人間と接触する羽目になるのだ。
しかもまた、とんでもない殺人鬼に出会ったものだ。
「子供達にも秘密にしているので、余り口に出さないで下さい。」
「はい...。」
「其れにしても、貴方もギフトさん方と面識があられたとは...。不思議な事もあるんですね。
もし、宜しければ先程の少女の事をギフトさんに伝えてもらえませんか?」
「其れ位の事なら別に構わないよ。それではそろそろ『Sicario』に向かいましょうかね。」
話が終わると、丁度頃合いを見計らったかのようにチェルが戻って来た。