第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
残された俺達2人は、当然の事ながら暇になった。
俺は椅子の背もたれに身を任せると、欠伸を1つついた。やはり疲れが溜まっていたのだろう。
軽く仮眠する事にした。


「あの...怪我、大丈夫なんですか...?」


早速眠ろうとしていたところで、女性が声をかけてきた。
俺は視線だけ女性に向けた。


「誰がだ?」

「さっきの人もですけど、貴方もです。」

「やわじゃねぇーよ。それと...無意味な詮索はよせよ。度が過ぎれば殺すぞ。」


それっきり女性は喋らなかった。
静かでなによりだ。
背もたれに掛けるだけで、体が痛い。ドールとだけは、もう殺りあいたくないな。屈強な体でもない限り、身が持たない。

だが、負ける気もしない。伊達に大量殺人やってないからな。
もう、考えるのを止めて俺は眠りについた。
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