第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
「眠っている...?」
「説明とか面倒だからしねぇーぞ。其れに知っても得にならねぇーから。先行くぞ。」
流石にあれ程の衝撃を受けた所為か、男は気を失っている様だった。
此方にとっては好都合だ。ギフトは『不思議の国』以外は殺してもいいと言ったが、ルイス・キャロル以外絶対殺せとは言っていない。
無駄に体力を食う事はしたくないので、取り敢えず男は放置しておいて良いだろう。
「ねぇ、黒ウサギ。」
「俺はセルリアだ。さっきも言っただろうが。」
「...ごめんなさい。」
「あーぁ、セルリアが女の子責めてる~」
「責めてねぇーよ!」
何で俺が悪者扱いされんだ。
言い方がギフトに似ているから尚ムカつく。
如何してドールと組まさせなくてはならないんだ。彼奴(ギフト)の都合の良い様に分けやがって...。
「取り敢えず先急ぐぞ。」
「何処に?」
「適当に。」
ドールが居ても戦闘以外特に役に立たない。
考えるのは俺苦手なんだよ。まぁ、適当にすれば如何にかなるだろう。
根拠なんか無いけどな。
side:ギフト
セルリア達と別れてどれくらい経ったかな。どれだけ経っていようが僕には関係無い事だけどね。
折角の“楽しい時間”なんだ。他の事なんか考えてられないよ。
ドールとも離れられたし最高だ。
最高に最高で最高だ。
人も殺せる、機会があれば目玉を貰おう。
貴族だもん。良い目玉を持ってるに違いないよ。
あぁ堪らないな。興奮し過ぎて卒倒しそう...。
両手で自分自身を抱きしめながら、自身の興奮を抑えようとしてみる。だが所詮気休めだ。あまり効果がない。
「マスター...大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫だよ。」
フェスターニャが心配そうな目で僕を見ている。
「そんな目で見ないでよ。僕は大丈夫だから。」
「す、すいません。」
「謝らなくていいよ。気にしてないから。」
其れにしても人気がないこと。
キャロルは如何しているのかな。
心底どうでもいい事だけどね。
気ままに角を曲がってふらふらと歩いている。
『不思議の国』は確保しないといけないけど、其れは最終的に出来れば良い事だから急ぐ必要は無い。
時間掛かっても楽しむ事が重要だからね。人生楽しんでなんぼだよ。
「マスター。誰か倒れてますよ。」
「ん?あ、本当だ。」
黒い服に身を包んだ男が倒れている。
近くに白杖とアイスピックが落ちている。目が悪いのか。
こんな所に居るって事は雇われた口かな。
傭兵や軍人の様な体格では無い。ならば自然と考え付くのは殺し屋あたりかな。
目が不自由な殺し屋...〝サイレント〟かな。
近くまで寄って状態を見てみる。
手首に傷...気絶しているけど頭に損傷は見られないな。恐らくセルリア達と出会ったのかな。
「ねぇ、フェスターニャ。」
「何ですか?マスター。」
「彼の瞳はどんな感じだと思う?」
「さぁ...?」
見当がつかないといった表情だ。
そんな眉を寄せて考えなくても、よかったんだけどね。
僕は彼のサングラスを取り、近くに投げ飛ばした。
彼に馬乗りになると頭を両手で抑え、まず右目を丁寧に指で開いた。
僕は彼の瞳に一瞬にして心奪われてしまった。
「これは素晴らしい...!!星目だ!!星眼(せいがん)だ!!フェスターニャ!!見てよッ!!」
「は、はぁ...。」
如何やらフェスターニャには、この素晴らしさが伝わらないようだ。
勿体無いな...。この素晴らしさが解らないなんて。
まぁ、仕方が無いと言ったら其れで終わりなんだけど。
彼は黒眼(くろまなこ)に、星のような白い円状のものがある。
嗚呼なんて美しいんだ。綺麗なんだ。
欲しい欲しい欲しいなぁ。
「初めて生で見た。欲しいな。
フェスターニャ、これ貰っていいかな?」
「私に聞かれましても...。」
「ゔ...」
彼が声を上げた。意識が戻ったらしい。
「誰、ですか...?わたしの上に乗っているのは?」
「やぁ!初めまして!!僕はギフト・ラーベスト!!君の同業者さ!!」
「同業者ですか...。あの退いて貰えませんか。」
僕は彼の要望通り上から退いた。
「説明とか面倒だからしねぇーぞ。其れに知っても得にならねぇーから。先行くぞ。」
流石にあれ程の衝撃を受けた所為か、男は気を失っている様だった。
此方にとっては好都合だ。ギフトは『不思議の国』以外は殺してもいいと言ったが、ルイス・キャロル以外絶対殺せとは言っていない。
無駄に体力を食う事はしたくないので、取り敢えず男は放置しておいて良いだろう。
「ねぇ、黒ウサギ。」
「俺はセルリアだ。さっきも言っただろうが。」
「...ごめんなさい。」
「あーぁ、セルリアが女の子責めてる~」
「責めてねぇーよ!」
何で俺が悪者扱いされんだ。
言い方がギフトに似ているから尚ムカつく。
如何してドールと組まさせなくてはならないんだ。彼奴(ギフト)の都合の良い様に分けやがって...。
「取り敢えず先急ぐぞ。」
「何処に?」
「適当に。」
ドールが居ても戦闘以外特に役に立たない。
考えるのは俺苦手なんだよ。まぁ、適当にすれば如何にかなるだろう。
根拠なんか無いけどな。
side:ギフト
セルリア達と別れてどれくらい経ったかな。どれだけ経っていようが僕には関係無い事だけどね。
折角の“楽しい時間”なんだ。他の事なんか考えてられないよ。
ドールとも離れられたし最高だ。
最高に最高で最高だ。
人も殺せる、機会があれば目玉を貰おう。
貴族だもん。良い目玉を持ってるに違いないよ。
あぁ堪らないな。興奮し過ぎて卒倒しそう...。
両手で自分自身を抱きしめながら、自身の興奮を抑えようとしてみる。だが所詮気休めだ。あまり効果がない。
「マスター...大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫だよ。」
フェスターニャが心配そうな目で僕を見ている。
「そんな目で見ないでよ。僕は大丈夫だから。」
「す、すいません。」
「謝らなくていいよ。気にしてないから。」
其れにしても人気がないこと。
キャロルは如何しているのかな。
心底どうでもいい事だけどね。
気ままに角を曲がってふらふらと歩いている。
『不思議の国』は確保しないといけないけど、其れは最終的に出来れば良い事だから急ぐ必要は無い。
時間掛かっても楽しむ事が重要だからね。人生楽しんでなんぼだよ。
「マスター。誰か倒れてますよ。」
「ん?あ、本当だ。」
黒い服に身を包んだ男が倒れている。
近くに白杖とアイスピックが落ちている。目が悪いのか。
こんな所に居るって事は雇われた口かな。
傭兵や軍人の様な体格では無い。ならば自然と考え付くのは殺し屋あたりかな。
目が不自由な殺し屋...〝サイレント〟かな。
近くまで寄って状態を見てみる。
手首に傷...気絶しているけど頭に損傷は見られないな。恐らくセルリア達と出会ったのかな。
「ねぇ、フェスターニャ。」
「何ですか?マスター。」
「彼の瞳はどんな感じだと思う?」
「さぁ...?」
見当がつかないといった表情だ。
そんな眉を寄せて考えなくても、よかったんだけどね。
僕は彼のサングラスを取り、近くに投げ飛ばした。
彼に馬乗りになると頭を両手で抑え、まず右目を丁寧に指で開いた。
僕は彼の瞳に一瞬にして心奪われてしまった。
「これは素晴らしい...!!星目だ!!星眼(せいがん)だ!!フェスターニャ!!見てよッ!!」
「は、はぁ...。」
如何やらフェスターニャには、この素晴らしさが伝わらないようだ。
勿体無いな...。この素晴らしさが解らないなんて。
まぁ、仕方が無いと言ったら其れで終わりなんだけど。
彼は黒眼(くろまなこ)に、星のような白い円状のものがある。
嗚呼なんて美しいんだ。綺麗なんだ。
欲しい欲しい欲しいなぁ。
「初めて生で見た。欲しいな。
フェスターニャ、これ貰っていいかな?」
「私に聞かれましても...。」
「ゔ...」
彼が声を上げた。意識が戻ったらしい。
「誰、ですか...?わたしの上に乗っているのは?」
「やぁ!初めまして!!僕はギフト・ラーベスト!!君の同業者さ!!」
「同業者ですか...。あの退いて貰えませんか。」
僕は彼の要望通り上から退いた。