第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
ノーリスト街を抜け、後数十メートルという時に、何かの気配を感じた。
殺し屋とかやってると敏感になるものだな。俺の場合はちょっと違うが...。
ディーブに俺の背後に回るよう視線を向ける。
視線に気づいたディーブが無表情のまま、俺の背後に移動した。
こんな時に思うのもアレだが、リアクションが欲しい。無表情だから伝わっているのか、此方から確認しようがない。
13歳なのだから、年相応の反応をして欲しいものだ。
俺は腰を下ろすとディーブに背中に捕まれと、小声で指示を出す。
ディーブはそれを聞くとやはり黙ったまま、行動に移した。
傍にいるギフトは逆に年相応の振る舞い方をして欲しい。
新しい玩具を買ってもらう子供のように、そわそわしていた。
俺がディーブをおぶって立つと、ギフトが耳元で興奮を抑えきれていない声で言う。
「ねぇねぇねぇ!!これって待ち伏せってやつだよね!?」
「楽しそうにしてんじゃねぇーよ!三十路が!!」
「酷いよ!!僕はまだ29歳だよ!!」
「似たようなもんじゃねぇーか!」
呑気に言い争いをしていると、突然空気が張り詰めた。殺気、とでも言ったところか。
視線を俺達の進行方向に向けると、白いコートを着て鞘のない剣を持った男がいた。
邪魔者の御登場か...。
特別焦る事なく俺はそう思った。
男が持っている剣はこの国では見かけない珍しい剣だ。
刃物のカタログで見たような記憶がある。
確か、倭王帝国という独特の文化を持った国の剣だった気がする。
刃物の中では断トツで切れ味が良かったんだっけな。俺も欲しいと思ってたんだよ。
俺はコートのポケットからナイフを取り出すと、しっかりと右手に持って男の方へ差し向けた。
殺し屋とかやってると敏感になるものだな。俺の場合はちょっと違うが...。
ディーブに俺の背後に回るよう視線を向ける。
視線に気づいたディーブが無表情のまま、俺の背後に移動した。
こんな時に思うのもアレだが、リアクションが欲しい。無表情だから伝わっているのか、此方から確認しようがない。
13歳なのだから、年相応の反応をして欲しいものだ。
俺は腰を下ろすとディーブに背中に捕まれと、小声で指示を出す。
ディーブはそれを聞くとやはり黙ったまま、行動に移した。
傍にいるギフトは逆に年相応の振る舞い方をして欲しい。
新しい玩具を買ってもらう子供のように、そわそわしていた。
俺がディーブをおぶって立つと、ギフトが耳元で興奮を抑えきれていない声で言う。
「ねぇねぇねぇ!!これって待ち伏せってやつだよね!?」
「楽しそうにしてんじゃねぇーよ!三十路が!!」
「酷いよ!!僕はまだ29歳だよ!!」
「似たようなもんじゃねぇーか!」
呑気に言い争いをしていると、突然空気が張り詰めた。殺気、とでも言ったところか。
視線を俺達の進行方向に向けると、白いコートを着て鞘のない剣を持った男がいた。
邪魔者の御登場か...。
特別焦る事なく俺はそう思った。
男が持っている剣はこの国では見かけない珍しい剣だ。
刃物のカタログで見たような記憶がある。
確か、倭王帝国という独特の文化を持った国の剣だった気がする。
刃物の中では断トツで切れ味が良かったんだっけな。俺も欲しいと思ってたんだよ。
俺はコートのポケットからナイフを取り出すと、しっかりと右手に持って男の方へ差し向けた。