第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
この男以外にも、幾つかの視線を感じる。他に隠れている奴がいるのか。嗚呼、面倒臭いな。一気に出てくれれば、すぐ終わるのだが...。
其処らにいる殺し屋など俺の敵ではない。隠れてターゲットの隙を突かなければ、殺せない臆病共め。
俺はディーブを背負ったまま男に近寄る。
「来いよ。俺が可愛がってやる。」
余裕そうに細く微笑みながら俺は言う。男はこんな安い挑発に乗せられたのか、間合いを詰めてきた。
正面に現れただけあって、度胸はそれなりに持っているようだ。
殺人の先輩として、じっくり痛ぶってあげようじゃないか。
男は大振りで剣を俺目掛けて振り下ろす。俺は其れを右に避け、身を低くし左足を軸にして、右足を伸ばした状態で左へ回旋した。男は足をすくわれバランスを崩したが、倒れる間もなく体制を整えた。
只の臆病者ではないと言う訳か。
「おーい!!セルリア〜!僕先に行ってるからね!」
後ろの方からギフトが大声で言う。
今そんな事言っている場合かよ。
だが、此処で全員足止めを食らうよりマシだ。
俺は次の男の攻撃を避けつつ、返答する。
「解ったから早く行けッ!!」
俺がそう叫ぶとギフトは、実に楽しそうな声色で先へ進んだ。
俺も早く片付けないと...。
ディーブを背負っているからか、動きが鈍くなる。仕方が無い事なのだがな。
ディーブを降ろしたら、今よりきつい状況になる。医学だけが取り柄のディーブは戦いなんてもっての他、俺が背負っていなければ真っ先に死んでいる。
俺は癖になっている溜息を、大きめに吐いた。
其処らにいる殺し屋など俺の敵ではない。隠れてターゲットの隙を突かなければ、殺せない臆病共め。
俺はディーブを背負ったまま男に近寄る。
「来いよ。俺が可愛がってやる。」
余裕そうに細く微笑みながら俺は言う。男はこんな安い挑発に乗せられたのか、間合いを詰めてきた。
正面に現れただけあって、度胸はそれなりに持っているようだ。
殺人の先輩として、じっくり痛ぶってあげようじゃないか。
男は大振りで剣を俺目掛けて振り下ろす。俺は其れを右に避け、身を低くし左足を軸にして、右足を伸ばした状態で左へ回旋した。男は足をすくわれバランスを崩したが、倒れる間もなく体制を整えた。
只の臆病者ではないと言う訳か。
「おーい!!セルリア〜!僕先に行ってるからね!」
後ろの方からギフトが大声で言う。
今そんな事言っている場合かよ。
だが、此処で全員足止めを食らうよりマシだ。
俺は次の男の攻撃を避けつつ、返答する。
「解ったから早く行けッ!!」
俺がそう叫ぶとギフトは、実に楽しそうな声色で先へ進んだ。
俺も早く片付けないと...。
ディーブを背負っているからか、動きが鈍くなる。仕方が無い事なのだがな。
ディーブを降ろしたら、今よりきつい状況になる。医学だけが取り柄のディーブは戦いなんてもっての他、俺が背負っていなければ真っ先に死んでいる。
俺は癖になっている溜息を、大きめに吐いた。