第1巻 Sicario ～哀しみに囚われた殺人鬼達～
教会から出ると、女はすぐそこにいた。
俺を待っていたと言わんばかりに、微笑みかけてきた。


｢フフフ...貴方っていい男。｣


いきなり如何したというのか。気色が悪い。
俺は女を睨み付ける。


｢そんな怖い顔しないで、貴方を見逃してあげるって言ってんのよ。｣


訳が解らない。一体何を考えているのだ。馬鹿なのか。
理解出来ない理解出来ない理解出来ない理解出来ない理解出来ない理解出来ない理解出来ない...気持ちが悪い。

お前は俺に殺される為に存在しているんだよ。


｢貴方は私の仕事内y...｣


女が言い終える前に、俺は間合いを詰めてる。
女から微笑みが無くなり、険しい表情がやってきた。

だが女もそれ程馬鹿ではないようだ。
俺の足元を狙って銃弾を放つ。足を少し掠めて、銃弾が地面へめり込んだ。
切り傷のような傷口から、血が滴れる。
俺は剣を逆手に握り直すと、女に向けて腕を伸ばす。
女は即座に後ろへ退いた。

剣の刃は女の腹部を切り裂いたが、残念ながら衣服を切っただけで、女自身にダメージは無かった。
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