第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
痛くて眠ることさえ出来なかった俺は、ディーブが戻って来るまで放心状態だった。
どれくらい時間が過ぎたのか解らなかったが、ディーブが奥の部屋から出てきた。


「やっとか...。」

. .
「僕にとっては、またかだけどね。」


嫌味を言われつつ俺も奥の部屋に、連れて行かれた。
部屋には医薬品の匂いが籠っていて、思わず顔を顰めてしまった。
ディーブはこの匂いになれているのか、特に反応を示さず少し奥にあるベッドに寝てと、指示をした。


「少し眠ってもらうよ。その間に終わらせるから。」


ディーブの言葉を了承して、暫くすると意識が遠くなっていった。
痛みなど気にもならず、俺は意識を手放した。
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