第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
「小型爆弾なんて危ねぇーだろーがッ!!」


青年は開口一番にそう叫んだ。
よく見ると頬が少し赤くなっている。先程の爆発のものだろう。

青年の後ろには小さい少年が隠れていた。
兄弟だろうかと思ったが、あまりにも似ていない。


「この野郎!よくもウチを殴りやがったな!!」


涙目の爆弾魔が怒鳴る。
その瞬間電車のあちこちで爆発が起こった。

視界から先パイや青年が消える。
微かに先パイの声が聞こえた気がした。
あたしは爆風で意識を失ってしまった。
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