第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
side:セルリア
電車が爆破され、爆風が吹き荒れる中。
俺はディーブを抱きかかえつつ、サラフィリアの襟首掴んだ。

爆発により電車の側面がそのまま外へと繋がっている。
俺は爆風に身を任せ電車から飛び出した。
ディーブを守るように地面に転がり落ちる。


「手前ェ...何で助けたんだよ。」


地面から上体を起こしたサラフィリアが、不服そうな顔で俺に言う。
俺はディーブと共に起き上がると、サラフィリアに視線を向ける。


「何言ってんだ...?助けたわけねぇーだろ。お前は後で俺が嬲り殺すんだよ。」


眉間に皺を寄せて俺はサラフィリアに告げた。


「なっ!?...ウチがそんな簡単に殺されるもんか!!」


少々動揺しているがサラフィリアはそう答えた。
ディーブが俺のコートを引っ張る。


「早く逃げて、セルリア。...調整局員がいる。」

「マジかよ...。」
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