第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
ディーブを降ろして手を繋ぐと、街中を歩いた。
調整局員の奴らが周りにいると思うと、家へは戻れなかった。
爆弾魔を連れている時点でそれは難しい事なんだがな。
仕方が無いので、俺はとある奴のもとへ足を進めた。


「何処行くってんだよ!なぁ!?」

「いいから黙ってついて来いよッ!!この阿呆アマ!!」


イラつきがおさまらない俺は、サラフィリアに怒鳴り散らした。
たかが買い物に行っただけなのに、何でこんな事になったのだろうか。
俺は巻き込まれ体質か何かか、神様なんて言うクソったれの仕組んだ事なのだろうか。

俺は大通りの小さな路地裏へ入って行った。
ディーブが転ばないようちゃんと気を使ってだ。
入り組んだ路地を暫く歩く。やがて少し開けた場所に辿り着いた。
其処には、ゴミ溜めの中にひっそりとうずくまっている...俺の最も信頼する情報屋がいた。
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