第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
俺達の気配に気付いたのか、ゆっくりとデイは顔を上げた。
寝癖で何時も以上に酷い頭を掻いて、大きな欠伸をした。


「アポ無しで...来るなんて...如何したんだい?」


寝起き独特の声でデイは俺達に言った。


「今回はそんなんじゃねぇーよ。ちょっと休ませてくれ。」


俺はそう言ってゴミ溜めの中に座った。
ディーブは抵抗があったのか、なるべく汚れていない場所に座った。
サラフィリアはその場で胡座をかいた。
女が胡座かくなよ。


「おや...。その女性は〝サラフィリア・マーク〟じゃないか。こんな大物よく連れてきたね。」


俺は溜息を吐きつつデイに答える。


「...後で嬲り殺すけどな。」

「女性は丁重に扱うべきだよ。」


俺はサラフィリアをもう一度見つめる。
駄目だ...どう頑張っても女には見えない。
只の阿呆にしか見えん。
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