○○系彼氏。~短編集~
するとケータイから音楽が鳴った。

渉からだ。

「も、しもし……?」

声が震える。

『もしもし?渉だけどさ。明日、卒業式終わったら時間ある?』

渉だ。渉の声だ。

と思ったら涙が出た。

そんな事バレない様に普通に

「うん。大丈夫だよ。」

って答えた。

『そっか。よかった。じゃあ、卒業式終わったら、3ーCの教室で待ってて。』

とだけ言ったら【バイバイ】も言えずに通話は途切れた。

「わ、渉だ……。渉…。」

いつも会っていたはずなのに不思議な気持ちになる。

久しぶりに明日渉に会える。

明日がすごく楽しみになった。
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