○○系彼氏。~短編集~
「皆とバイバイとかありえないよぉぉぉぉぉぉ……。ヒック」

卒業式も無事終わり、号泣しながら皆に別れを告げる。

「元気でねぇぇ…。」

そういう話をしていると、皆が教室からいなくなり、気づいたら私一人になっていた。

否、二人だ。

目の前には渉がいる。

久しぶりだ。会いたかった。元気?

とか言いたいことは沢山あるけど、上手く声が出ない。

沈黙が続く。

その沈黙も破ったのは渉だった。

『あのさ、しばらく会えなかったのはバイトが忙しくてさ。欲しいものあったし。』

言い訳は聞きたくない。

でも必死にしゃべってるので私も真剣に聞く。
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