○○系彼氏。~短編集~
ふわっと手が温かくなった。

良樹が私の手を握ってた。

「寒いなら言えよ。ばーか。」

「良樹は冷え症だから、気を使ったの。」

良樹は極度の寒がりだ。

だからマフラーだけ借りようと思ったのにジャケットを借りている。

「良樹寒くない?大丈夫?」

「部活終わりだから大丈夫でーす。」

確かに良樹は汗をかいている。

良樹の所属するバレー部は練習が厳しいという話だ。

「汗かいてそのままにすると、風邪ひくよ?」

でもコイツは馬鹿だから風邪はひかないってわかってる。
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