○○系彼氏。~短編集~
「どーせお前は俺が馬鹿だから風邪ひかないって思ってるんだろ?」

怒ったのか繋いだ手の力を強めてくる。

「良樹くん。痛いよー。うわーん。」

いつもみたいにうそ泣きしながら私も手の力を強める。

「いってぇなww。あ、大会は今週の日曜日な。」

急に大会の話をしてきた。

「うん。わかった。応援してる。」

いつもは私が見に行くのを嫌がるくせに今回は

「見に来いよ。絶対。てか命令。」

珍しい。いつもはすごく嫌がるのに。

「了解。じゃあ、私こっちだから。」

と言って、繋いでいた手を離す。

「じゃあな。」

とだけ言って走って帰っていく良樹。

大会。頑張ってほしいな。
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