○○系彼氏。~短編集~
「キャァァァァ!!亮平くぅぅぅぅん!!!」

まただ。皆の目線を集めている男子。

【亮平くん】こと三浦亮平(みうらりょうへい)。誰にでも優しく、明るい性格だから人気だ。

「あーもー…みんなー。言ったじゃーん。オレ。他の人のメーワクになるから、大声は禁止だって。」

とか言いながらめちゃくちゃ嬉しそうな顔で言っている。

でもアイツには彼女がいる。

皆は知らないと思う。本人が言ってないから。

………私と言う彼女がいながら……亮平め……。

正直いつものことだからあんまり気にしたことはない。でも。でも……。

目の前でやられると怒りそうになる。

目の前の亮平をガン無視して本を読み続ける。

すごく亮平からの視線を感じる。これも毎回だ。

亮平は私に妬いてほしいのだろう。

まぁ…そんなことで妬くなら、亮平の彼女やってないんだけどね。

とか考えながら本を読む。あ、亮平が限界に達した。

「繭(まゆ)ー…。」

というへこたれた声で私の名前を言ってくる。

でも無視。というかここで反応したら、他の女子が怖いからね。
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