○○系彼氏。~短編集~
「亮平君?なんであんな地味子の名前呼ぶの?」

亮平の周りでキャアキャアしている女子のうち1人が聞いた。

当たり前だ。他の人にとっては私達2人は全く違う世界だと思われているのだろう。

「えー?だってさ、どうせなら女の子全員にキャアキャア言われたいじゃん?」

……………意味わからん。なぜ私なはこんな奴と付き合ったりしたのだろう。

亮平と私、一ノ瀬 繭(いちのせ まゆ)は小学校からの腐れ縁だ。
幼馴染みとか、そういう親しみのある関係じゃなくて、ただ単に学校がずっと一緒なだけだ。

付き合い始めたのは中学校の卒業式の日。告白された。

「す、好きだ!!高校は違うかもしれないけど、ずっと好きだ!!付き合ってください!」

その時は別に亮平のことは好きでもなかったけど、私なんかに必死になる亮平がいとおしくて、ついついOKしてしまった。

その付き合いは高校2年になった今でも続いている。

自分でも意外だ。
こんなに続くと思わなかった。

どうせ亮平が私じゃないすごい可愛い女の子を好きになって、私なんかポイだと思っていた。
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