イケメン同期に素顔を見抜かれました



「おはようございます!」

元気よく研究室の扉を開けると、すでに上司であるチーム長が優雅にコーヒーをすすっていた。

「おはよう。崎坂さん聞いてよ~。今日もうちの奥さんがね」

「はいはい。またチーム長が余計なことして奥様のこと困らせたんでしょ。自業自得です」

チーム長の愚痴は結構長くなるので、ピシっとシャットアウト。

どうせ愛妻家のチーム長の、愚痴と言う名のオノロケが始まるだけなんだから。

「うう、崎坂さん冷たい……」

オヨヨ、と泣き真似をするチーム長を冷ややかな目で一瞥して、メールソフトを起動させる。

未読メールを読んでいると、私の教育係、児玉さんが慌ただしく入ってきた。

「おはようございます。あーよかった、間に合った」

「おはようございます。珍しいですね、児玉さんがギリギリに来るの」

「そうなのよ。ユウに朝から手間取っちゃって」

児玉さんは2児の母。

上のお姉ちゃんは小学校にも入学してしっかりしてるんだけど、3歳になる弟のユウくんがやんちゃで元気な男の子らしく。

「今日もリビング走り回ってたら転んじゃってね。ちょっとオデコをぶつけてご機嫌ナナメになっちゃって」

「大丈夫なんですか?」

「うん、オデコの方は大丈夫なんだけど。今日はビアガーデンに私が行くから、パパとお姉ちゃんと3人でご飯食べてねっていうのが寂しかったらしくて」



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