イケメン同期に素顔を見抜かれました
「東京に出張になっちゃってね。上手くいけば、慎くんに会って来ようと思って」
今朝、頬を赤らめながら嬉しそうにそう話していたお姉ちゃん。
忙しい慎くんに遠慮して、自分が東京に行くことは隠していくから、あくまで『上手くいけば』会えるんだ、ってところが何だかお姉ちゃんらしい。
お姉ちゃん、会えたのかなあ。
そう思いながらスマホをチェックすると、お姉ちゃんからの一通のメール。
『慎くんと会えたので、明日帰ります。あと、近々慎くんと結婚することになりそうです』
思わず大声を上げそうになり、口元を手で覆う。
付き合いだしたと同時に、プロポーズもされていたお姉ちゃん。
ただ、慎くんの仕事の関係で、いつ結婚できるかは未定って聞いていたのに、こんなに早く結婚できるようになるなんて。
改めてプロポーズされて、目を潤ませているであろうお姉ちゃんの姿が脳裏に浮かんでくる。
嬉しい、すっごく嬉しい。
急いでメール作成画面を開いて、『おめでとう、よかったね』と送信する。
ああ、本当によかった。
恐らくお父さんとお母さんにも連絡がいっているに違いない。
これは家に帰って、本人不在でお祝いかな。
さっきまでとは一転、家族だけだけど楽しそうなクリスマスになる雰囲気がして、私の駅へ向かう足元が軽くなった。