イケメン同期に素顔を見抜かれました



無事に今日の業務を終え、チーム長と児玉さんに連れられてビアガーデンの会場へと向かった。

到着し、幹事役の社員さんに会費を渡して会場に入る。

「うわあ、美味しそう」

すでに会場にはバイキングのメニューが山盛りに並んでいた。

「児玉さん、児玉さん。お料理が取りやすい位置に座りましょ」

「さすが芽衣ちゃん、食べ物のことになるとテンションが上がるねぇ」

「だって、会費払ってるんですよ!? 元は取って帰らなくちゃ!」

キョロキョロと周りを見渡し、すかさずお目当ての席に腰を掛ける。

端っこであまり目立たない席だけど、しっかり料理までの距離は短めの良席をゲットできてご満悦の私。

横に座った児玉さんも、

「あら、いい感じの席じゃない」

と太鼓判。




しばらくすると、どんどん人が集まってきて席が埋まっていく。

みんなの集合がよかったのか、ほぼ定刻でビアガーデンが始まった。

「カンパーイ!」

乾杯のビールにはほとんど口もつけず、私は料理に向かってダッシュ。

次々とたくさんの料理を皿に盛りつけては、テーブルに置き。

そしてまたバイキングのテーブルへ行く繰り返し。

「芽衣ちゃんのおかげで、このテーブルは華やかねぇ」

……ちょっと張り切りすぎたかな?

児玉さんの感嘆の声に、少し反省しつつも。

「大丈夫です、何かあったら私の胃袋が全責任を負いますから」

そう宣言をし、料理に箸を延ばした。




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